看護師の離職率
日本医療のイマ
日本の医療界には、今大きな問題が2つ存在しています。
一つ目の問題であるのが「高齢化」の問題です。
日本は先進国の中で見てもトップクラスの勢いで高齢化を始めており、2025年になると半数が高齢者になるという結果すらでています。
当然高齢者になるほど医学を必要とする人が多くなるため、それだけ医療に携わる人口が不足してしまうことになります。
ただ、特定の診療科を除けば、医師についてはそこまで不足しているわけではありません。
同様に医療事務などについても半ば飽和状態にあるといえます。
しかし、大いなる問題があるのは「看護師の不足」です。
もう一つの問題であるのがまさにこの看護師に関わることであり「看護師の離職率の高さ」にあります。
看護師のような専門的な資格を必要とする仕事に就きながら、離職するというのは少々疑問が残る部分でしょう。
しかし、実際問題離職率は非常に高く、常勤看護師の離職率が11.2%、新卒看護師の離職率が8.6%となっています。
すなわち、なって一年以内にやめてしまう人すら多くいるということです。
では、何故このような離職率の高さを誇ってしまっているのでしょうか。
その原因としてはいくつかのものが考えられます。
まず1つ目の原因であるのが、看護師が「女性を中心とした仕事」であるということです。
最近では男女雇用機会均等法によって男性の看護師も増えてきているものの、それでもまだまだ数は少なく女性が中心です。
女性の場合、結婚や出産、子育てなどによって離職をしてしまうことがあるため、男性よりもそもそも離職率が高くなります。
激務であるために育児や家事などと両立しながら仕事を続けることが難しく、そのままやめてしまう人が多いわけです。
後になって復帰をする場合もありますが、キャリア形成などの問題からやはり問題があり、そのまま復帰しない人も少なくありません。
厳しい労働環境
もう一つ、離職率を上げている原因であるのが、看護師の仕事が非常に厳しい労働環境となっている、ということです。
看護師の仕事は元々三勤交代制で回っており、夜勤が存在します。
さらに驚くべきことに、夜勤のあとに日勤がシフトされている、というような非常識な激務が実施されている病院も少なくありません。
このような状況の中では体を壊してしまう、ということで辞めてしまう人も少なくありません。
そして、人が減るとさらに一人に対して掛かる負担が大きくなり、より一層仕事が厳しくなります。
それが原因になってまた人が減る、という悪化のスパイラル状態にあるのが看護師業界です。
この状況を解決するためには、各病院が待遇を向上させるなどのことが必要であり、抜本的解決をしなければ医療界の危機となるでしょう。