管理栄養士
食に関するプロフェッショナル
管理栄養士は、人が毎日行う食事についてプロの立場から多くの業務を行うための仕事です。
資格は国家資格として位置づけられており、事前に栄養士養成課程を修了してから国家試験を受験して合格をすることにより取得ができます。
管理栄養士は同じく国家資格である栄養士の上位資格であり、先に栄養士を取得した人が管理栄養士を受験できるという二段構えとなっています。
ただし資格取得の難易度は圧倒的に管理栄養士の方が難しく、それだけに実際の職場においても栄養士と管理栄養士ではかなり業務の幅が異なってきます。
まず栄養士資格を取得するためには、厚生労働大臣指定の栄養士養成課程のある学校を卒業します。
栄養士養成課程は専門学校や短期大学で2~3年、四年制大学では4年と学校によって違いがあります。
養成課程の長さにより卒業後に必要となる実務経験が異なり、2年制の課程では3年間の就業実績、3年制の課程では2年間の実績、4年制の課程では1年以上の実績となります。
また専門の四年制大学の中には「管理栄養士養成課程」と特別に置いているところがいくつかあるので、そうしたところを卒業することで実務経験なしでも自動的に栄養士資格を得、管理栄養士試験を受験できます。
なお栄養士の資格を取得するためには国家試験を受ける必要はなく、指定校の課程を2年以上修了したのちに登録をすればそれで取得が可能です。
管理栄養士は上記の課程と実務経験によって受験要件を満たした後、年に1回の国家試験を受験します。
合格率は約55%程度と低く、学校の授業を受けるだけでは足りずしっかり受験対策をしていかないと合格は難しいです。
広がる管理栄養士としての業務
管理栄養士の資格は、一定以上の規模で多数の人に食を提供する施設で必ず置くことになっています。
そのため求人・就業の状況はよく、長く勤務することができる職場に恵まれています。
ただし地域によってはやや人材過剰の状態にもなっているので、あまり楽観的に考えることはできません。
これは食堂や病院、学生食堂、給食センターといったような場所での管理栄養士の役割は、メニューを作成したり個別の食事指導をしていくものであるため、一つの施設に複数の人数は必要ないということが関係しています。
看護師や介護士のように一つの施設に複数の人数が必要な職種ではないため、希望の施設があってもそこで空席ができるまで求人が出ないということもよくあります。
そこで現在管理栄養士として勤務をしている人の多くは、より活躍の場を広げるため自分なりに技能を伸ばす活動をしています。
食品メーカーや調理器具メーカーで料理の提案をしたり、料理研究家として書籍を出版したりといったようなものが代表的です。