産業カウンセラー

産業医

勤労者にとって必要なケアを行う仕事

産業カウンセラーは、ここ近年の間に急増している勤労者の心の問題を解決するための仕事です。
資格は一般社団法人日本産業カウンセラー協会が主催しており、同協会の発行しているテキストをもとに通信講座や専門学校でのスクーリングを受けてから試験にのぞみます。

日本産業カウンセラー協会が主催している資格には「産業カウンセラー」と「シニア産業カウンセラー」という二種類があり、まず先に「産業カウンセラー」資格を取得してから上位資格として「シニア産業カウンセラー」を目指すようになっています。

公式テキストによる受講は年間を通じて受付られており、全てのカリキュラムを修了したところで毎年1回の試験を受けることになります。

試験は産業カウンセラーは毎年1月下旬に学科試験と実技試験があり、シニア産業カウンセラーは同じく毎年11月中旬に学科と実技の試験があります。

試験会場は産業カウンセラーは全国の主要都市17会場、シニア産業カウンセラーは東京と大阪のみとなっています。

出題される範囲は産業カウンセラーでは基本的なカウンセリング概論から、実務で必要とされる対話や分析能力を問うものです。
実技試験では実際の相談を受けた場合を想定し、ミニカウンセリングや口述での回答をします。

シニア産業カウンセラーも基本的にはだいたい同じ内容となっていますが、問われる内容がより専門的な分野に踏み込まれています。

合格率は産業カウンセラーは約60%となっているため、カウンセリング関連の資格の中では比較的取得はしやすい方と言えます。

産業カウンセラーとしての仕事と求人状況

産業カウンセラーという仕事はかなり以前より存在をしており、上記で紹介した民間資格を取得した人数も合計で3万7000人以上となっています。

勤務先となるのは企業内保健室の他、学校や医療機関、ハローワークといったような多くの人が働く場所となります。

大企業では従業員の健康管理として社内に保健室を置くことも珍しくなくなりましたが、産業カウンセラーではなく医師や看護師を置いてより積極的な診療ができる体制をとっていることもあります。

どちらかというと産業カウンセラーは中小企業など規模の小さな会社で置かれることが多く、専任ではなく人事担当者などが兼務として資格を取得する例も見られています。

実際の仕事においてはまずそこで勤務する従業員から仕事の悩みを聞き、本人および就業環境の改善を目指していきます。

このとき最も重要になるのが「傾聴」のスキルです。
相手を言いくるめたり説得したりするのではなく、どういったことに悩みや不安を感じているのかということを話をさえぎることなくじっと聞いてあげることが産業カウンセラーの基本です。