臨床心理士

ストレスを抱えている人に臨床心理学的アドバイスをする資格

臨床心理士は心の悩みを抱える人を対象に、社会生活を正常に送ることができるようになるためのサポート業務をしていくための仕事です。

人の心の病気がクローズアップされている現代ですが、その内容を詳しく分類していくと「精神病理」や「神経症」といった医学的見地が必要なものと、社会学的な理由によって発生する病理とがあります。

精神病や神経症といったものは、脳や神経といった部分に何らかの機能障害が発生することにより起こる場合が多いので、投薬治療やリハビリテーションなどにより回復をしていくことが必要です。

一方で現代急速に増えているのはそうした病理にまでは進展しない「認知」の部分の歪みによるものです。
認知の歪みを治すためには身体的な治療法ではなく、会話や行動による「認知療法」が効果的です。

こうした医学的な治療とは別に主に対話や社会的活動の練習によって患者さんの回復を目指していくための資格となるのが臨床心理士です。

臨床心理士資格は医療資格として排他的独占業務を行うことができる国家資格とは異なり、民間資格のみとなっています。

臨床心理士やそれに近い業務を行うための資格はいくつかありますが、中でも最も有名なのは公益財団法人日本臨床心理士資格認定協会の主催しているものです。

民間資格ながらこの日本臨床心理士資格認定協会によるものは業界ではかなり高い知名度があり、資格を取得することによりスクールカウンセラーや課程教育カウンセラーなどとして勤務をしていくことができます。

臨床心理士資格の取得方法と難易度について

臨床心理士は専門的な業務を行う仕事ですが、必ずしも何らかの資格が必要というわけではありません。
カウンセラー業務もそうですが、特に資格や経験がなくてもお客さんがついてくれれば事業として行っていくことに何の問題もありません。

とはいえ実際に業務を行うためにはクライアントからの信頼感が重要になりますので、やはり何らかの資格や経験は必須と言えます。

日本臨床心理士資格認定協会の臨床心理士試験を受験するためには、あらかじめ協会が指定する大学院を修了し所定の条件を満たすことが求められています。

受験要件がかなり厳しいためなかなか取得をすることはできないのですが、合格率は約60%と試験そのものはそれほど難しくはありません。

臨床心理士資格の他にも心理カウンセラー関連の資格は数多く存在しているので、民間資格の中では差別化をはかるのが難しいという問題があります。

2017年から新たに国家資格として認定されるようになった資格として「公認心理師」というものがあり、第一回国家試験は平成30年の予定です。