医学部の志望者が増え続ける理由
好景気が原因?
私立であっても公立であっても、医学部というのは入学してから卒業するまで多額の費用が必要になります。その他の大学で様々な学部を卒業する場合とは比べ物になりません。
しかしこの数年、医学部への志望者はどんどん増えており、非常に多くの高校生が医学部を目指して大学の受験をすることが分かっています。前述のとおり費用が莫大な金額になるにもかかわらず、ここまで多くの志望者がいるというのはどんな理由があるのでしょうか?
そこまでたくさんの方々がお医者様になりたいと思うのは複数の理由があるようです。もちろん単純に医師を目指すというのが1番の目的になりますが、医者を目指すという目的の根底に将来性なども含まれてきているようです。
推薦入試やAO入試の枠を設ける医学部の増加
まず、医学部への入学は、資金的な問題に加えて、難易度が非常に高い入学試験という壁が存在します。志望する学校にもよりますが、最低でも偏差値が65以上はなければ、試験の突破は困難となるでしょう。この入学費用と難易度という2つの壁に阻まれて、医学部を断念するという人は実際少なくないのです。
しかし昨今は、全国的な医師不足の煽りを受けてか、推薦入試やAO入試の枠を広げる学校が増えつつあります。高難度の試験を受けなくて済むのであれば、医学部への進学を志す人が増えるのも道理でしょう。ただし、推薦入試は学業の面で優秀な成績を収めていたり、品行方正な学生であったり、志望する条件が厳しくなっています。そのため、枠が増えたからと言って、楽に入学にできると考えるのは間違いなのです。
とはいえ、同じく枠が増えたAO入試であれば、学業成績以外の面でも入学できるチャンスがあります。AO入試とは、学校が求める人柄や個性を持った学生を評価する入試方法で、面談や志望理由書などによって合否が左右される特殊な入試方法です。評価軸は医学部ごとに大きく異なります。
将来性を考え学生時代の苦労を選ぶケースが増えた
自分の将来性を考えた場合、サラリーマンなどとして働いていくよりも医者として働いている方が安定すると考える若者が増えてきたようです。そうは言っても医者になるためには、やはり前述の通り莫大な費用を支払いながら大学で大量の勉強をしなければなりません。医学そのものに興味がなければ、とうていこなせるものではないでしょう。
資格そのものも国家資格となっており、大学で勉強したからといってお医者様になれるわけではありません。受験に落ちてしまい、何年も留年するという学生も増えいます。それでもやはり医学部の指導者が絶えないというのは、将来性を考えたときに、学生の時に苦労をしてでも将来の安定を考えるというのが最も大きな理由になってくるようです。
医学部を卒業するまでには様々な臨床研修をはじめとして、論文なども提出しなければなりません。多くの勉強量を考えると気楽に遊んでいるような時間はないでしょう。学生時代にここまで自分の時間を酷使して医者になるために頑張るということは、医者になった後の将来設計をしっかり考えているということが伺えます。
万一開業に失敗しても資格が活かせるメリットがある
国家試験に合格するまでには多大な量の勉強をしなければならず、簡単に合格できるものではありません。またどの大学に入学するのかという部分についても倍率の高い学校を選べば入試に向かってとてつもない勉強をしなければなりません。そういった苦労をしてでも医者になった場合には、ある程度の期間を経て独立するというケースがほとんどです。
しかし独立したからといって必ずしも成功するとは限りません。場所が悪かったというケースや、その他にも何らかの形で失敗に終わってしまうこともあるでしょう。それでも開業に失敗してしまった際に後が絶たれてしまうわけではなく、医師という資格を活かしながら活躍できる場面がたくさんあります。こういった部分を踏まえると、やはり将来的に安定度が高く、国家試験に合格するまで頑張ればその後自分の人生設計が立てやすいというのが最も大きな理由になるでしょう。