小児科
特殊な分類
さて、内科、外科とはまた違っているカテゴライズであるものの、特殊な分類がされている診療科があります。
それが「小児科」です。
治療方法や部位ではなく、「年齢」によって診療科が分類されているのは今の所小児科だけでしょう。
高齢化の影響で今後老年科が標榜科となる可能性もありますが、現在の所小児科だけです。
それでは、この小児科の対象となる「小児」というのはどのような範囲の子供を言うのでしょうか。
小児科の対象となるのは「新生児~思春期」の範囲とされています。
つまり、生まれた瞬間から15歳前後までが主に診療の対象となるわけです。
この範囲内においても「新生児」「幼児」「学童」というような分類がされており、成長度に応じて診療の内容や主に発生する病気などにも違いがあります。
小児科医学は意外に歴史が深く、19世紀頃にはすでに成立していたと考えられています。
実際20世紀初頭には小児科学会が誕生しています。
それでは、何故小児科だけが「子供」という特定の対象を取って治療を行うようになったのでしょうか。
その理由は「子供」が「大人」とはまったく違った存在であることがポイントです。
子供はまだ成長の途中であり、体の各所において発達途上の部分があります。
そのため、大人と同じような治療では治癒できないような場合や、そもそも同じような治療を行うと副作用によって却って症状が悪化してしまうケースなども存在しています。
主に違っているのが「免疫機能」と「体力」の部分です。
子供の免疫機能は不十分であるため、大人であれば感染しても発症しないような毒性の低い感染症であっても深刻化してしまう可能性があります。
C型インフルエンザや手足口病などが代表的な例と言えるでしょう。
体力も低いために、長時間に渡る手術のようなことはできないケースが多いと言えます。
その代わり回復も早いため、一度治療が済めばすぐに元通り、というようなことも少なくありません。
小児科の病気
それでは、小児科において主に見ることになる病気にはどのようなものがあるでしょうか。
最も多いのは「流行性感冒」、すなわち風邪です。
風邪もまさに前述の通り、それほど毒素が強いわけではない感染症の一種ですが、子供の場合弱い免疫機能と粘膜機能によって感染してしまう可能性が高いと言えます。
急激に高熱を発してしまうことも多く、劇症化の可能性も十分考えられるため慎重な治療が求められるでしょう。
この他では、「小児喘息」なども罹患者が多い病気です。
子供は肺の発達もまだ十分ではなく、気管支が細く息がしにくくなっているようなケースもあります。
場合によっては長い付き合いとなることもあり、20歳を超えても小児科に通うことになるような人も中にはいます。